売る前のお世辞より
売った後の奉仕
by松下幸之助
この名言は上記の後に「これこそ永久の客を作る」と続きます。
経営の神様とも呼ばれた松下幸之助さんの名言です。
これが商売で非常に大切なことだというのはわかるのですが、自分も含め、仕事の中でなかなか出来ていないと思うことも多いです。
買ってもらうために売る前はお世辞を言ったり、自社の製品アピールをしてお客さんに尽くしますが、買ってもらえば、それで良しと考えてしまいがちです。
そんなことではいけないよ、と、頭ではわかってはいるのですが、どうしても買ってくれた後というのは対応が疎かになりがちですよね。
次買ってくれそうなときは再度訪問してまた買ってくれるように努めるぐらいで、どうしても売った直後やしばらくは買ってくれそうにないと思った時は、そのお客さんへの対応は疎かになりがち。
どうしても、買ってくれた時点で終わったと思い、次を探す、次の見込み客にアプローチすることに力を割いてしまいますよね。
例えば時間が限られているとき、既に買ってくれてしばらく次を買う見込みのないお客さん(以下、既存顧客とします)から買った商品のことで相談したいと連絡が入ったとします。
その後、しばらくして、見込み客から次買おうと思っている商品について打ち合わせしたいと連絡が入ったとします。
出来る打ち合わせが仮にどちらか1件だとしたら、どちらを選ぶでしょうか。
この場合、私は恥ずかしながら、前者の既に買ってくれたお客さんの相談を優先する、とは断言できないですね。
仕事の成績報告や決算が近ければ近いほど、前者を選択する確率は低くなるとも思います。
でも本日の名言通り、前者の既存顧客への奉仕を優先した方が、長い目で見れば良いというわけですね。
一時の数字より将来的な数字を優先すれば、売った後の奉仕が絶対に大事なわけです。
でもこれがなかなかできません、私が思うに会社の方針や評価制度がそれに輪をかけているケースも多いと思います。
何を隠そう私の会社がまさにそうなのです。
売上や粗利は規定項目でもちろん指標にはなりますが、それに以上に「新規案件」の進捗を重要視します。
既に規定の売上を達成していようが、利益率を達成していようが、新規案件の重要性は時にそれらを凌ぐかと思うほど、強く上から言われます。
新規案件の見込みはありません、先月から進捗はありませんと言おうものなら、即座に「何をやってるんだ」となりますからね。
そうなれば、どうしても新規案件へ割く時間は増えます、それこそ売る前のお世辞、ですね。
もちろん、上から既存の取引先の売上を減らしても良いから新規案件を、なんてことは言われません。
既存売上は保って当たり前という前提で新規案件を重要視するのですが、言われた方としてはどうしても新規案件に時間を使い、会議に報告できるような進捗状況を故意に作り上げたりもします。
時には会議報告用の「新規案件」なんてものもあります。
私の場合は、生産側なので、数量不明、納期不明、要求品質不明、の案件が来ると、「あ、会議用の新規案件だ」とすぐに察しがついてしまいます。
話がだいぶそれてしまいましたが、うちの会社はこんな感じなので、新規!新規!で、既存の案件を他社に取られても気付かないことがしばしばです。
会社の目的は利益を得る事、そしてその後の手段の一つとして新規開拓があります。
でも、この新規開拓という手段が目的を差し置いて浸透してしまっているイメージですね。
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