努力に逃げ道は無い
努力を愛せ
There is no way around the hard work, embrace it.
byロジャー・フェデラー
物事を成し遂げるには、努力をするしかありません。
努力なしの成功はあり得ないということから、それなら努力をしないで済む方法を探すより、その努力自体を愛せば、努力をすることも苦ではなくなる、ということかと思います。
世界No.1のテニスプレイヤーのフェデラー選手が言っている言葉ですので、努力なしでの成功はあり得ないと誰もが理解出来ると思います。
努力を愛す、努力の過程を愛す、なかなか難しいことですが、フェデラー選手の言葉ですので、重みがありますよね。
"There is no way around the hard work"
努力(ハードワーク)からの逃げ道(回避する方法)は無い
テニスをあまり見ない方でも、錦織圭選手以外でフェデラー選手だけは知っているという方は多いと思います。
グランドスラム最多優勝20回(2020年6月現在)、歴代最長世界ランキング1位、通算獲得歴代最多賞金など数々の記録でNo.1となり、史上最高のテニスプレーヤーと称されています。
フェデラー選手は成績や実績もそうなのですが、プロとしての考え方、人生への捉え方、コート上での立ち振る舞い、家庭での夫・父としての在り方、その全てにおいて称賛されています。
フェデラー選手は怪我をしない選手としても有名ですが、2016年に膝を怪我しています。
その怪我の理由は双子の娘たちの為にお風呂を準備しているときに振り返って怪我をしたという何だかそれもフェデラー選手らしいですよね。
フェデラー選手は現在38歳、選手生命が短いと言われるテニスでは30歳から成績が下降線をたどり、30代前半での引退が多いのですが、今なお、世界ランクのトップ10に入っています。
出場する試合を減らしている為、現在はランキング4位にいますが、実力通りのランキングと私は思っていません。
長らくトッププレイヤーとして活躍していますが、一時期トップ10から落ち、「フェデラーの時代は終わった」と言われたこともありました。
しかし、そこから見事なカムバックを果たし今に至るのですが、この復活劇は昔の力を取り戻したわけではなく、偶然でもなく、相手関係が弱体化したわけでもありません。
今までの戦法から新たな戦法へ、プレースタイルを変えたのです。
プレースタイルの変更は今までの勝ちパターンから変えるのですから、変えようとしても簡単に変えられないものです、当然、新しいプレースタイルに沿って違った技術を身に付けねばなりません。
ただ、この戦法の変え方も、実にフェデラー選手らしい、自分の能力を完全に見極めた上でのプロフェッショナルな変え方で、言葉としては「さすがフェデラー」と言いたくなるようなものでした。
フェデラー選手は元々ベースライン(後ろ側)上で打ち合うストローカー(コートの後方で相手とボールを打ち合い、速い球や際どいコースにボールを打ち、ウィナーショットや相手のミスを誘うことに重きを置いた選手)でした。
それでも前に行く(ボレーに出る)ことも他選手に比べ多かったので、オールラウンダーと呼ばれていました(ジョコビッチ選手やナダル選手は完全なストローカーです)。
しかし、年齢が上がるにつれて打ち合いでも打ち負け、コートを走り回ることにも限界にきていました。
またストローカーは打ち合ってなんぼですので、ボールを打つ回数は多いですし、コートも走り回らなくてはなりませんので、怪我の防止と、選手生命を長くしなければという考えも当時持っていたと思われます。
そこで、フェデラー選手は機を見て即座に前へ出てボレーをするというプレースタイル、ラリーをあまり続けない速攻勝負へ切り替えます。
前へ出ていく戦法というのは、体力の消耗も少なく勝負も一瞬で付くのですが、難しいのは出ていくタイミングと、チャンスボールを逃さずに決めることです。
前へ出るのは守備を捨てたことにもなりますので、チャンスでありながらピンチな状況、ボレー戦法は諸刃の剣なのです。
しかし、フェデラー選手はチャンスを逃さず、絶妙のタイミングで前に出てくるんですよね。
おそらくベテランならではの経験と勘でしょうか、錦織選手を応援しながら見ていると「うわ、前に出られた、あぁー決められた」という場面が何度もあります。
試合がどのように展開するのかという瞬時の予測も凄いです、まさに長年の経験と勘からきていると思わされます。
そしてフェデラー選手はそれだけにとどまらず、ストローク(ボールの打ち方)も変えていきます。
元々定評のあったライジングショットに更に磨きをかけたのです。
ライジングショットはボールがワンバウンド後、跳ね上がりきる前に打つショットです。
跳ねたボールが頂点に上がりきる前に打つことで相手のコートへ早くボールを返すことが出来ますので、力を込めて打つ速いボールでなくとも相手を窮地に追い込めます。
しかもライジングショットの技術を磨くことで、どのような体勢でもボールを打てるようになる為、打ち合い時にコートを走り回ることも減りました。
そんなライジングショットですが、ボールが跳ねた直後に打つので、とても技術のいるショットでもあります。
フェデラー選手のたぐいまれなる技術と努力でライジングショットの技術を磨き、力を込めなくても、相手を窮地に追いやるショットも身につけたと言えます。
元々ボールコントロールに天才的なものがありましたので、鬼に金棒です、そして時折、ここぞというときは往年を思わせる渾身のショットでポイントを決めてきます。
体力の低下をベテランの経験と勘、そして技術でカバーし、努力する、凄いですよね。
「フェデラーの全盛期」という言葉はよく聞きますが、今のフェデラー選手こそ全盛期だという声もあるほどです。
テニスの教科書の様な華麗なプレースタイルで今後の活躍も間違いないと思っていますし、フェデラー選手の試合は見ていて面白い、今の時代のテニスでこれほど「うまい」テニスをする選手もいないでしょう。
いつか現地で生のフェデラー選手の試合を観たいものです。
明日もフェデラー選手の言葉を紹介します。
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