はっとさせられる言葉たち

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過去10年間にあなたがやってきたやり方が今後10年間も通用すると思っていたら大きな間違いだ。成功し続けるためには、現在を壊すことが必要になる時が必ず来る。

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過去10年間にあなたがやってきたやり方が

今後10年間も通用すると思っていたら大きな間違いだ。

成功し続けるためには、現在を壊すことが必要になる時が必ず来る。

byロベルト・ゴイズエタ(コカ・コーラ元会長兼CEO)

 

 

 

ロベルト・ゴイズエタ氏は1980年代にCEO兼会長に就任し、コカ・コーラ社の時価総額を大幅に増大させた人物です。

本日の名言を放ったロベルト・ゴイズエタ氏がどのような人物だったのか、を伝えしようと思ったのですが、調べていくうちにカンザス計画というコカ・コーラ社を揺るがす大事件に興味をそそられましたので、このカンザス計画というものを皆さんにお伝えしたいと思います。

カンザス計画とは、1985年に起こった出来事で、とても簡単に言ってしまいますと、コカ・コーラ社がコーラの味を変えると発表し、今までのコーラを終売し、ニューコーク(NEW Coke)という名で新しいコーラを売り出したところ、消費者から今までのコーラに戻せと総スカンを食らい、元の味に戻したコーラを併用販売(コーク・クラシック)、そして当初は物珍しさで売れたニューコークの販売量は減っていき、ニューコークが終売となり、元のコーラのみの販売に戻ったという出来事です。

コカコーラの味を変えるなんてとんでもない話のような気がしますが、当時はそれ相応の事情がありました。

それは、ペプシコーラの猛追です。

発売当初のペプシコーラは安物や偽物と揶揄されていましたが、ブランド力では敵わないとしてペプシコーラは味に目を付けました。

そして始まったのがペプシ・チャレンジと呼ばれたブラインド・テスト・コマーシャルです。

これは目隠しした消費者にペプシコーラとコカコーラを飲み比べてもらい、美味しいと思う方を選んでもらうテストでした。

そうです、猛追の理由はお分かりの通りこのテストを実施した結果、多くの方がペプシを選んだのです、悲惨なことにコカコーラの社員ですらペプシコーラを選ぶ方が多かったということですね。

これが元でペプシの台頭が始まり、コカコーラのシェアが少しずつ下がり始め、危機を感じて始まったのがコーラの味変更(カンザス計画)だったんですね。

コカコーラの味変更は建前上は消費者が好む味にということでしたが、すなわちペプシに似た味にする(口が裂けてもそう言えないでしょうが)とも捉えられますし、味の変更を実施するのは、コカ・コーラ社側がペプシの方が美味しいと認めたことにもなるのですから。

しかし、この味の変更は思わぬ方向へ向かいました。

本来であれば、味が改良されるというのは前向きなものです、しかし、現在ニューコークという商品は世の中にあるでしょうか、無いですよね、最終的にはにコカ・コーラ社は味を戻します、ニューコークは無くなることになるのですが、なぜ味が消費者に好まれると考えられたニューコークは無くなり、消費者が離れていったはずの味に戻し、現在、ペプシと大きく溝をあけてブランドを維持できているのでしょうか。

それは、多くの消費者から「元の味を戻せ!」と抗議が殺到した為です。

この反響は凄かったようです、CEOのロベルト・ゴイズエタ氏は当時、最低のCEOだと相当非難されたようでした。

鳴りやまぬ苦情電話や手紙、そしてついにはニューコーク不買運動まで起こり、このときついにペプシの販売量がコカ・コーラ社を抜きます。

本来であれば、ここでジエンドなのですが、コカ・コーラ社はここで迅速に動きます、終売させたコカコーラを3か月後に「コカコーラクラシック」として再度販売することになり、コカコーラクラシックがペプシを堂々と抜き去り、今に至ります(コカコーラクラシックは一部の地域を除き、現在はほとんどの地域でコカコーラという名前に戻っています)。

ここでコカ・コーラ社は気付きます、消費者は味を好んでいたのではなく、コカコーラというブランドと昔から変わらない味に愛着を持っていたのだと、そして消費者もまた気付きました、私たちはやっぱりコカコーラが好きなのだと。

このカンザス計画は結局コカコーラを元の味に戻すという大失敗に終わったのですが、結果的にコカコーラのブランド力を取り戻すことにもなったのでした。

本日の名言を発したロベルト・ゴイズエタ氏が行ったカンザス計画は挑戦して失敗に終わり、言うなれば結果オーライだったかもしれません

しかし、挑戦しなければこの結果も生まれなかったと言えるかと思います。

ロベルト・ゴイズエタ氏はこのカンザス計画だけでなく、もちろん数々の挑戦を繰り返し、結果的にコカ・コーラ社の事業拡大に貢献しました。

経営陣の若返り化を図り、不採算事業からの撤退と不採算部門の売却、そしてダイエットコークの開発なども推し進めたコカ・コーラ社では著名なCEOです。

コカ・コーラ社もこの出来事で大きく意識を変えたと思われます、ペプシの台頭までは経営陣はコカコーラの味に何に疑問も持っていなかったそうですから。

昔からのこのコカコーラの味がみんな好きで買っている、ペプシ?飲むまでもない、と決めつけていたそうですから。

ロベルト・ゴイズエタ氏は本日の名言で「現在を壊すことが必要になる時が必ず来る」と言っています、結果的にコカコーラの味は壊さずに元に戻したことになりますが、コカ・コーラ社のブランドや意識を壊すに成功したと言えると思います。

 

 

 

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