はっとさせられる言葉たち

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適切にルールを破る方法を見つけるためにルールを学びなさい。

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適切にルールを破る方法を見つけるために

ルールを学びなさい。 

byダライ・ラマ14世 

 

   

 

「ルールなんて関係ねぇ!」、アニメや漫画でよく目にする言葉のような気がしています。

しかし、関係ないと思えるのは、ルールをよく理解して上で、初めて言えることではないでしょうか。

本日の言葉はルールを破る、ではなく、ルールを適切に破るとしています。

ルールというのは、規則です。

守らなければならないものです。

それがルールです。

ルールというのは人間が作ったもので、完璧ではありません。

しかし、なぜルールを作ったのか、なぜ守らなければならないのかと言えば、それはルールを守ることで、社会にしろスポーツにしろある一定の秩序が保たれるからです。

ここで大切なのは、ルールによって保たれる秩序がある一方で、保たれない秩序も少なからず存在することです。

マジョリティとマイノリティの問題です、多数の秩序と少数の秩序、どちらを守るかと言えば多数の秩序です。

従ってどのようなルールにも欠陥はあります。

少し大きな話になりますが、私の中で、幸せなのか幸せではないのか、これは人類平等です、幸せか幸せではないか、これは心が感じるものなのでどのような境遇であれ幸せになれる人はなれますし、恵まれた境遇でも幸せになれない人はなれません。

しかし、お金に関しては不平等です、頑張ってもお金持ちになれない人がいる一方、頑張ってもないのにお金持ちになれる人がいます。

この違いは人が作ったものかどうかだと私は考えています。

心や体は人が作ったものではありませんが、お金は人が作り出したものです。

話を戻しますが、ルールは人が作ったものです、ですので完璧に秩序が保たれるルールなんて無いのだと私は思っています。

しかし、とはいえルールです。

人が大多数の秩序を守る為に考案したものです。

なぜ、このルールがあるのか、このルールによって守られている秩序は何か、を考えることによって初めて、このルールを破ることによって守られない秩序と破ることによって守られる秩序の双方を理解することが出来ます。

ルールというのは、多数の秩序を守る為、と書きましたが、もう一つ特徴があります。

それは、誰でも守りやすく、判断に迷いにくいものがルールになっています。

従って、適切にルールを破るというのは、例えば、とあるタイミングでのルール破りであれば、多数の秩序を保ちながら少数の秩序を守ることだって出来ます。

タイミングを見計らってほんの少しルールから逸脱することで、両方の秩序を守ることだって出来るでしょう。

しかし、その為には、現時点で守られているルールをしっかりと理解する必要があります。

ルールをしっかりと理解しないまま、ルールを破れば多数の秩序が保たれなくなります。

多数の秩序と少数の秩序、どちらも大切ではありますが、少数の秩序を守る為に、多数の秩序を蔑ろにするのであれば、意味がありません。

この世にはいろいろなルールがありますが、まずルールをしっかりと理解し、そのルールによって守られているものを知り、ルールを破ればどうなるかを考えておくことが大切だと思っています。

ルールを理解することで、今まで出来ないと思っていたことが出来たりや新たな発見をすることだってあると思います。

ここまでルール、ルールと書きましたが、まず何事も知ることが最も大切なことなのではないでしょうか。

スポーツでも、ルールを破ると罰せられ、非難されますが、逆にルールにすれすれのところのプレーは神業と言われたりもします。

勿論ラフプレーは良くないですけどね。

ルールすれすれのプレーはルールを理解して初めて出来ることです。

最後に、私の好きな競馬、武豊騎手のイギリスでのレースでの出来事を紹介します。

   

武豊騎手は2005年にイギリスのインターナショナルステークスにゼンノロブロイという日本の馬で参戦します。

最後の直線に入り、ゼンノロブロイは果敢に先頭を追いかけ、武豊騎手もゼンノロブロイにムチを打ち、手綱をしごき、ようやく前を捉えてゴールと思った瞬間、外から追い上げてきた馬にかわされ、惜しくも2着に敗れました。

そしてレース後、武豊騎手は騎乗停止処分を受けることになりました。

騎乗停止処分とは、~日間はレースに乗ってはダメという処分、制裁です。

騎手はこの処分により、指定された日数はレースに乗れなくなり、その期間に有名なレースがあっても、有名な馬に乗る予定があっても、基本的には認められません(今は制度が国をまたぎ複雑化していますので詳細説明は省略します)。

そうです、武豊騎手はこのレースの中でルールを破ったのでした。

このレースで武豊騎手が騎乗停止処分となった理由はムチの使い過ぎでした。

イギリスの競馬はムチの使用回数が定められており、その使用回数を超えると制裁を受けることになります。

武豊騎手は世界各国のレースに騎乗していますから、当然知らなかったはずはありません。

騎乗したゼンノロブロイには勝てそうな勢いがあった(当時の武豊騎手のHPの日記には素晴らしい粘り腰を発揮と書かれています)為、ルールを破ってでも、ゼンノロブロイにタイトルを獲らせてあげたい、この馬の為に海外遠征したスタッフにも勲章を、日本のファンの声援に応えたいという思いから、ルールを承知の上で破ったのでした。

もちろん、このルール破ることで自身の騎乗停止は承知、且つ、このルール違反が騎乗している自分にしか制裁が加えられない、馬やその関係者、ファンに迷惑が及ぶことは無いと知っての上です。

控えめに言って、プロフェッショナルすぎて痺れます。

このレース、勝てれば勿論よかったのですが、武豊騎手のルールに対する理解があっての2着とも捉えることが出来ると思います。

ルールをよく理解していなければ、ムチの回数に関してもそうですが、その後、どのような制裁を受けるのか不安になり、ルールを破るという選択肢自体が無いかもしれません。

このレースでの武豊騎手が適切にルールを破ったのかといえば、それはわかりません。

破った事には違いありませんからね。

ただ、武豊騎手は、ルールをしっかりと理解した上で破った、これは紛れもない事実です。

   

 

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