はっとさせられる言葉たち

名言や言葉の紹介&雑記がベースのブログです。時折、何かの解説(カテゴリー「役立ち情報」)や旅行記などを書いていきます。

僕は十年計画で敵をたおすつもりだったが、近来これほど短気なことはないと思って百年計画に改めました。百年計画なら大丈夫、誰が出て来ても負けません。

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僕は十年計画で敵を倒すつもりだったが、

近来これほど短気なことはないと思って百年計画に改めました。

百年計画なら大丈夫、誰が出て来ても負けません。

by夏目漱石

 

 

 

夏目漱石と言えば、千円札の人というのが私の第一印象ですが、明治時代の文豪で「吾輩は猫である」「坊っちゃん」「こゝろ」が有名です。

国語の教科書にも載っている有名な方ですが、何より私の年代でのイメージは千円札の人として思い出されることと思います。

本日の名言ですが、ちょっと意図しているところがわかりにくいですよね。

この言葉の解釈もあまりネットにも出ていなかったので、私なりの超訳になってしまうかもしれませんが、ご理解下さい。

私はこの言葉を「そう焦るな、そうムキになるな」という意味で捉えています。

この言葉を要約すると「十年計画で敵を倒すつもりだったが、百年計画に改めた、これなら負けることは無い」となります。

十年計画だったら負けることもあるかもしれないので、百年計画で倒そうということです。

このままだと負けてしまう、あぁこの人に勝てないなと、焦ったりムキになっては良い結果が得られないことも多いです。

そうではなく俺は百年後に相手を倒すんだと思えば、焦ったりムキになったりすることも無くなるのではないでしょうか。

むしろ今の立場では相手に頭を下げなければならず、頭を下げたくないと思っても、百年後には勝っているんだと考えれば、今のうちは頭ぐらい下げておいてもいいんじゃないかと思えることだってあると思います。

これは昨日のブログとは思考が異なり、くだらないプライドをなかなか捨てられない場面でも役に立つ考え方かもしれません。

負けている、勝てないと思うからこそ人はイライラしたり焦ったりしてしまいがちです、でも百年掛けて努力すればさすがに勝てるでしょう、まだあと百年あるんだ、何を焦る必要があると思いなおし、心を平穏に保つことが出来るかもしれません。

夏目漱石は非常に神経質な人物だったと言われています。

子どもの頃は1歳で養子に出され、養子先の家で養父の浮気が原因で養父母が離婚、そして様々な大人の事情によりたらい回しの幼少期を送ります。

学業では優秀な成績を収めましたが、10代後半から20代前半にかけては更なる災難が夏目漱石を襲います。

実母が亡くなり、自身は虫垂炎、胃病、そして伝染病である目の顆粒性結膜炎と相次いで病気に悩まされることになります。

後の親友となる正岡子規との出会いもこの時期です、この出会いをきっかけに夏目漱石は文豪の道を進んでいくことになります(専攻は英文学で、後に愛媛で英語教員となるわけではありますが)。

しかし、この当時でも順風満帆ではなかったんですね、その後、夏目漱石を悩ませたのは神経衰弱という精神病です、27歳の頃でした。

夏目漱石はその後49歳で亡くなりますが、亡くなる前までこの神経衰弱に悩まされ、度重なる胃潰瘍によって徐々に身も心もボロボロになっていったそうで、最後は原稿用紙に1文字も書けない状態にまでなったそうです。

本日の言葉はそんな波乱万丈な人生だった夏目漱石の言葉です。

神経衰弱と胃潰瘍と聞けば、どちらも精神的なものが発症の発端ですよね。

幼少期の出来事や青年期に身内の不運と自身の病気が重なったことで、やはり常人とは変わった見方で世の事や人の事を見ていたのかもしれません。

考え込む自分に対して、どうにか折り合いを付けようとした結果の一部として本日の言葉があるのかもしれません。 

 

 

 

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